はじめに
イコライザー、誰もが一度は使った事があるもの、音質を変えて音のキャラクターを変える。非常に馴染みのあるエフェクター。
音楽の製作で使うイコライザーとなると非常に使い方が難しい。究極のところ好みの音を作る事になるが、ただグラフィックイコライザーをVの字型にしたとかでは話にならない。音楽制作で使う場合にまずそんな安易な事はないとが、プロは要所にズバッと効かせているようだ。
イコライザーには大きく分けて2種類、上記のタイプのグラフィックイコライザーとパラメトリックイコライザー。パラメトリックイコライザーはHi、Midi、Lowなどのツマミで調整するタイプ通称パライコ。
下記のパラメーターで紹介してある通り、「Q」という 中心周波数帯、例として 5KHzをQの中心として、幅1KHz~10KHzを 5KHzを中心に!ブースとして際立たせる。または ほぼ5KHzを中心に6~7KHzでピンポイントでそこだけを上げて際立たせる など、逆に下げると言うのもある。 パライコではそのように使われる。
イコライザーで使われる主なパラメーター
GAIN / Input Level
入力レベルの設定
Hz ヘルツ 周波数
ブースト/カットしたい周波数を調整する
Q
周波数を変動させる帯域幅
Output Level
処理された音を出力する。
イコライザー使用の考察
楽曲の製作でのイコライザーの使用を前提に。
おおざっぱにブーストポイントを上げていますが実際の音によりブースト/カットします。3+とか2+はdbではありません。2+は少しブースト、3+は強めに 4+ 5+はさらにブーストの意として書いています。
ボーカル
ローカット(80Hz~100Hz)以下、500hz周辺ブースト3+ 、5KHz~10KHzあたりブースト3+、12KHz~20KHzあたりをブースト2+
エレキギター アコースティックギター
50Hz~100Hzあたりブースト3+ 、 50KHz~10KHzあたりブースト3+ 20Hz~40Hzあたりブースト2+ 2KHz~4KHzあたりブースト2+
ピアノ
20Hz~40Hz(Low)及び12KHZ~20KHz(Hi)あたりをブースト2+ 基本的にフラット
フィンガーベース
(20Hz~40Hz(Low)3+50Hz~100Hzあたり2+)ローブースト 1Kz付近(Mid) 2+ミッド付近を少しブースト
スラップベース
(20Hz~40Hz(Low)3+50Hz~100Hzあたり2+)ローブースト 5Kz~10KHz付近(Hi)2+高音域を少しブースト
ドラムス
(20Hz~100Hzあたり2+)ローブースト 1KzKHz付近(Midi)2+ 10KHz付近2+高音域を少しブースト ドラムは各太鼓の集合なのでそれぞれで異なる
サックスとブラスセクション
1KzKHz付近(Midi)2+ 5KHz~20KHz付近を2+高音域を少しブースト
上記の図は私のある曲のボーカルの一部のスクリーンショットです。何のエフェクターもない状態です。160~200ヘルツ迄が多くミッドの音域が主成分になっていてます。私の声は広域が弱く中低域が多くなんとなくこもった感じの声になっています。160HZ以下をバッサリローカット、ミッド付近はその時により異なりますがあまりイコライザーの処理はなし5Hz以上を少し強めにブーストさせています。
私のある曲のハイハットを強調したい時にした図です。ここではハイハットだけに重きを置いています。何度となく試すとこのあたり(10KHz)をブーストさせると気持ちが良かった。上記の楽器ごとのブーストポイントはあくまで総体的なもので、実際には楽曲、楽器そのもの、声そのもの等でブースト/カットのポイントは変わると思います。
補足
イコライザーは例外もありますが、あまり極端なブーストアップやカットは望ましくないようです。高音域でブーストする場合など明瞭、明るくなる代わりに音が細くなったり、安定感がなくなる。低音域では、ブーストアップすると 低音の重量感、安定感が出る代わりに音の抜けが悪くなる傾向になり一長一短が起こることがあるようです。
スペアナ / スペクトラム・アナライザー
私のボーカルの部分でも書いていますが、楽器単位、全般でもどのように周波数の分布がされているか視覚的に見ることは有効でプロでは必ず使われている。ただし、音なので実際に聞こえる音が最重要になる。
総論
イコライザーは音を作る、補正するです。耳障りにならない程度にブーストアップする。カットし過ぎによる耳障りにもならないためにあまり極端な設定は避ける。イコライザーを聴かせた状態とバイパスさせた状態を何度か聴き比べて不自然感を なくす。